右腕の激痛と神経麻痺(44) 手の先生4回目の診察

《頸椎椎間板ヘルニアや筋筋膜性疼痛症候群と診断されたり、後骨間神経麻痺(橈骨神経麻痺)という疾患に苦しめられるあれこれを書いてます。左脇のカテゴリー「右腕の激痛と神経麻痺」をクリックすると古いもの順に出てきます》

こないだやった2回目の筋電図検査の報告書が届いてるというので、診察に行く。

前回の診察で、先生(ホンマでっかの澤口先生似、というか、もう今から「澤口先生」とします)に不信を覚え、今までの診察の、あまりのコミュニケーション力なさっぷりなどを細かく反芻して、勝手に憎悪を煮えたぎらせ、どす黒いガスまで腹に溜めこんだ私であったが、2週間も経つと「なんであれほど人を憎んだのだろう」と、ツキモノが落ちたように、憎しみが消えている。

だが、やはり、ひと月に1回、3時間待ちで、ほかの待ってる患者さんたちのことを気にして、聞きたいことを高速で聞いて帰ってくるのが関の山の、この診療体制では、もう無理だ。病院においては、命の危険性のない、どうでもいい疾患かもしれないが、自分にとっては死活問題であるのだ、利き手の麻痺問題は。

そして、この疾患に詳しい先生に診てもらいたい、という気持ちが募り、澤口先生にどこか紹介してもらおう、という気持ちしか、もはやなくなっている。
でも、澤口、取りつく島ないしなー。もしまたいつもの拒絶的な態度や荒くれ加減が出たら、こちらもいつもどおり「はぁ、そうですか、そうでございますよね~~」と田舎の女中づら下げて聞いてはおられん。何か憎々しいこと言ったら、ディオゲネスのように切り返してやる、と先生の言いそうな憎らし発言を想定し、あれこれとんちの利いた、それでいて破壊力のあるイヤミなどを用意し、とにかく肩をいからせ、戦闘態勢で向かう。

この日は、病院の始まる1時間前から整理券を取りに行ったおかげで、診察は2番目であった。
どうせ、返事はないだろうけど、いつものように挨拶すると「はーい!」ってわりと感じよく返してくる。うわっ、どうしたの!?

それからすぐ筋電図検査の結果を説明してくれる。

「少し、針検査での筋肉の数値が改善されてますね」

えっ、そうなの? 
今回は針検査で前回「異常値」を出していた「手首を上げる筋肉」が、今も異常値ではあるけれど、少うしだけマシな数値になってた、というのだ。
でもその下の「指を上げる筋肉」は相変わらずダメ。
それに電気を流す神経伝達速度検査は、相変わらず「無反応」という状態。

そして検査をしてくれたリハビリ科の女先生の総論は
「(手首を上げる筋肉部分は)再支配がすすんでいると思います」というものだった。

末梢神経は上から下にかけて良くなるという原則から、上にある手首を曲げる筋肉(肘近くにある)の数値が改善方向を示してるということは、理論上はこのまま下部のほうに「再支配」が進む未来を想定できる。

「再支配」。
……あぁ、なんて神秘の調べで、かつ力のある言葉なんだろう。

でも、私にとってこの福音はぴんと来ない。ぜんぜん喜びが湧かない。
だってどうも信じられない。
なぜなら、それは、リハビリ女先生の、筋肉の猛特訓の末に出してもらった数値だし、あの特訓で、筋肉が最高にいい状態になって、実力以上の数値を出したような気がする。
それとか、そもそも手首は最初からずっと上げ下げできてたし(スナップきかないけど)、1回目の筋電図検査のときは、まだ右腕の痛みが相当残っていて、あまり筋肉に力を入れたりできなかった。
だから、今の数値こそが。本来、前の検査のときに出るはずだった数値なのでは?、とも思うし、そもそも4か月も経ってるのに、いまだ異常値って……などなどと、とにかく物事を悪く考える癖が止められない。
だって、ちょっとでもいい方向に考えようとすると、あまりにも毎度足下すくわれるから。何度も希望を摘み取られてきたのだもの。ショックアブサーバーをつねに働かせてないと……。
私の喜怒哀楽は「怒」と「哀」ばかりが発達していて、あまりに「喜」「楽」の登場回数が少ないので、出方もわかんなくなっちゃってる。

先生も
「手首の上げ下げは、良くなってる手ごたえがあるはずだよ」
と言うが、わからん~~。
それに、ずっと手首がCM関節症(このとき、先生に診断された)で腫れあがってるので、痛くて動かせないってこともあって、実感なし。

それはいいとして
「でも、ここで治りがストップする可能性もある」
とまた恐ろしいことを言う。

でも今日の先生は、きちんといちいち考えてから、モノを言ってくれるし、なんと顔を見て話すし、何よりありがたいのは、私の話をさえぎらない。しかも「あー、そうだったのかー」などとリアクションまで取ってくれる。
って困る、別れ話を切り出しに来たのに、何この優しさ開示。

「と、やっぱり、自然治癒の可能性もなくはないし、でも手術をやってもいいかもしれない。良くなる可能性が絶対あるとは言えないけど、悪いことではない。ただし、20センチくらい腕に傷が残るから、それは困るでしょう?」
などと、女心への気遣い発言まで飛び出した。

さらにびっくりしたのは、この時点でもいつもの倍以上時間取ってくれてんのに、「エコーで、病変(くびれ)見つかる可能性もあるよ。やってみる?」などと言いだす。

で、やってもらったんだけど、いつまでもくびれが見つからず、延々とエコーの画面から離れない澤口先生。っていうか、すでに病院開始時間から3,40人はもう患者さんいるのに、いいのか。
もう看護婦さんも、次の患者さんのカルテをバサッとわざと聞こえるように落としたりして、早くしろ、を促すんだけど、完全無視。没頭。
その真剣な探究心、画面を見つめる姿に、ヤバい、不覚にも「かっこいい」とか思ってドキドキしてしまった。

「やっぱり難しいなー。エコーでは無理かなー」などと人間味のあるひとり言を繰り出したり「ガングリオンみたいのはないね」と声をかける。
しかも私のくだらない「それはなんですか?」などにもちゃんと答える。
おかしい。気まぐれにもほどがある。

結局、エラい長いこと探してくれて、なんとなく「くびれっぽいが確証はない」レベルのものが2つ見つかり、私もあまりの長時間申し訳ないと自ら立ち上がり、終えてもらった。でも先生はまだ探したいようだった。

…………。
まいったな。
これではとても言えない、次の男を紹介しろ、などとは。

そうだ、あれ、こないだ、私が決定的に「この人はダメなんじゃあ」と思った、教科書的間違い発言あったんじゃん。あれをもう一度確かめてやれ!
「あの、先生、あれですよね。この神経が分かれて、〇〇になってどーのこーのですよね? △△じゃないですよね」
「そうだよ。〇〇になってどーのこーのだよ」って正解を言ってくれる。
えっ、なんで? この間、それを何回聞いてもヘンなこと言うから、不信が募ったんじゃん。もしや、単に「てにおは」などの校正まちがいレベルのものだったのか、あとは、なんか違うこと考えて、変なこと言っちゃったとか、私の聞き方に問題があったとか、まぁそういうことだったのか?

でも、最後の最後に、先生が「さぁどうしようかねー、むずかしいよねぇー」と言ったとき、おそるおそる勇気を振り絞って「あのう、たとえば、違う先生の見解なんかも聞いてみたいのですが、いやっ、なんていうか、その……」みたいにモゴモゴ言うと、先生、パーッと顔が輝いて
「いいですね!!」
だって。

「うん、大きい病院だと、こういう症例多くやってるし、しかも一つでも多く集めたいし、利害が一致しますよ。もしあなたが、そういうのに貢献したい、という意志があるなら、行ったほうがいいと思います」

しかも「どうします? セカンド・オピニオンだと何万もかかるし、もういっそ転院で『紹介』ってことにしますか?」って向こうからこっちが言いづらいことを、まるで空気を読んでくれてるように(それはないけど)、言ってくれる。
ひゃー、好展開で、うれしい誤算。

それから、先生に病院を挙げてもらい、私もネットで調べて知っていた末梢神経に強い病院がその候補にあったので、その病院をお願いする。

それでいったん診察終わって紹介状と会計待ちしてると、また診察室に呼び出され、「〇〇先生っていう後骨間神経麻痺に強い人がいるんだけど、その先生でいい?」って、機嫌よく尋ねられる。
えっ、すでに10分以上経ってるのにまだ紹介状書いててくれたの? しかもなんかびっちり書いててくれてるよ。
さらに、その挙げてもらった先生は、私がよくネットで末梢神経麻痺の論文を出してるのを目にしていて(医療関係者しか見れないサーバーだから読めないけど)、その先生がいいと思ってたので、びっくり。しかもその先生はちがう病院に移ってしまった、ということも調べてくれ、結局その移転先の病院に行くことになった。

結局、澤口先生、1時間近くも一患者に費やしてくれたわけだが、ほんとうにいったいなんなんだ。いつもは30人以上診たあとだから、あんなにカリカリしてるのであって、今日のが本当の澤口なのか。

でも私は騙されないぞ。よく、不良とか、ふだん冷たい人間が、ごくたまに見せる優しさでモテたりするけど、ふだんから優しい人間のほうがいいに決まってる。
めんどうそうな客がいなくなるとか、一人でも負担が減るので嬉々としただけかもしれないしね。

それはともかく、何はともあれ、こんなに澤口のこと勝手に憎んだり、悪口言ったりして悪かったな―と、申し訳ない気持ちもこみ上がる。
これでもう澤口ともお別れか、とひじょうに寂しい気持ちで病院をあとにした。

それにしても、リハビリ女先生の筋電図の読み方通り、少しでも再生してくれてたらいいのに。そしてこれから、指のほうにまでなんとか神経がイソギンチャクのように伸びれ! 

やっぱり手術はしないのが一番いい。傷が残るのは、もう手のモデルになる可能性が断たれるわけだが、それはいい、あきらめるっ。それより、手術後の痛みとの苦闘がまた大変そうで、それを思うとやはり自然治癒が一番なのだよねぇーー。
まき

こんばんは、ご無沙汰しております。
3.11以来ですね。あの時はお世話になりました。ありがとうございました。

ところで病気のほうですが、大丈夫でしょうか?(大丈夫ではないですよね)
44記事読み切れていないので、いまみゆき先生がどういう状況かわからないのですが、心配しております。
ずいぶん前になってしまいますが、南米の旅行はいかがでしたでしょうか?
また今度よければお話しきかせてくださいね^^
お大事に。

2012.09.13 Thu 22:42
芝崎みゆき

まきさまへ

わー、まきちゃん、おひさしぶりです。
こんなもん、見てくれたんですねー、ありがとーーー。
って、大丈夫ですから、ご心配しないでくださいね。
ちょっと感じ悪い症状になったので、ここぞとばかりに騒ぎ立ててるだけです。
南米はなかなか難儀な旅行でしたよ。
まきちゃんが毎日、充実した日々を過ごして、楽しくやってることを本当に願ってます。
またいろいろお聞かせくださいね。
本当に大いに楽しんでくださいね。

2012.09.14 Fri 21:25
きょうたママ

はじめまして!

こんにちは!
はじめてコメントいたします♪
この夏「古代マヤアステカ不可思議大全」を読んでから大ファンになり、現在、「古代エジプトうんちく図鑑」を読んでいます。
もっと芝崎先生のことを知りたくて、ブログを見つけてから朝、昼、夜とチェックしていましたが、9月9日からアップされていないので、とても心配になり仕事も手につきません。。。
もしかして、入院ってことにでもなったのか、、それともちょっと不自由でもお仕事が出来るようになってきて執筆の遅れを取り戻しているのか(それなら安心ですが)、とても気になりコメントしました。
先生の腕が一日でも早く良くなって、南米の本が出版されることを願ってます!!

2012.09.16 Sun 16:04
大阪のコヨトル

応援しています!

初コメントです♪

「マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行 」と
「古代マヤアステカ不可思議大全」を拝読させていただい者です。マヤ・アステカに興味があったのですが、専門書は難しく何かわかりやすい本はないかと探していたところ、芝崎さんの本に出会いました。
来年3月に旅行を計画していますので、何回も読み直しています。

南米の本、私も楽しみにしていますが
腕の方、お辛そうで心配です。
どうぞあせらずゆっくりと治してくださいね。応援しています!!



2012.09.16 Sun 17:41
芝崎みゆき

きょうたママさまへ

きょうたママさま、なんと慈愛溢れるお言葉を!!
優しい―っ、優しすぎます。
ありがとうございますっ! ぜんぜん入院してません。この部分から特に進展もなく、新しい病院の予約日もまだ先なので、ネタが無くなったので、書いてないだけです。
というか、もう、こんなとこ見てくださってありがとうございます。
まさかチェックとかしてくださる方がいるとは。
それなのに、ネガティブ話題ばかりですみません。
それから、それから、本、ご購入くださってありがとうございます。しかも以前の本も読んでもらえるなんて、何たる幸せ。勝利の鬨の声を挙げたいくらいです。
次の南米本は、もし手書き方式が無理だとしても、なんとかこさえるつもりです。
なにとぞこれからもよろしくお願いしますっ。

2012.09.17 Mon 08:36
芝崎みゆき

大阪のコヨトルさまへ

大阪のコヨトルさま、心沸き立つコメントをありがとうございますっ!!
なんと! マヤ・アステカ、セットで! いや、もう平伏したい気持ちです。西には足を向けて寝ないようにいたします。
うらやましーーー! 3月に行かれるご予定なのですね。
かの国は、本当に旅行しやすいし、人も親切なので疲れないところだと思います。
そして何より、空気がいいのです。澄みきっていて、キラキラしてる感じなのです。ってよく思いすぎなのかもしれませんが。
風土がいいせいか、体の調子もすこぶる良く、細胞が活性化された感もあり、メキシコ人が自殺率が世界一低い理由もなんかわかったような気がいたしました。
ぜひぜひ、コヨトルさまがあらゆるものを見倒して、漫喫されることを願っております。何か旅に関する質問等ありましたら、お気軽に聞いてやってください。
コヨトルさんのお言葉どおり、私もあせらず、やっていきますですーー。

2012.09.17 Mon 08:39
留?

えらいことでんな

自分のNameも忘れるぐらいお久しぶりです。
でも、次の本の告知を楽しみに、月1回はチェックしておったのです。
まさか先生がこんな事になっているとは、なんたることでしょう!

録音したNHK第2のカルチャーラジオ 歴史再発見、東京青山から青山和夫がお送りする「“謎の文明”マヤの実像にせまる」を聞きながら、先生のブログを読み始めたのですが、青山先生の話が全く頭に入らず、一気に読んでしまいました。
赤裸々にユーモアを交え、語られるブログを作成するには、すごい苦労をされて入力されたのでは、その精神力に脱帽いたします。
45って私よりはずいぶんお若い訳ですが、あまり無理されないようにお願いします。
何も出来ませんが、とにかくコメントを書かずにおれませんでした。

私も先生とは比べものにはなりませんが、少し痺れています(去年は左肘から親指にかけて、今年は右肘から小指)、痛みはありません。
病院に行ってレントゲン取りましたが、異常なし、MRIとりますか?と言われ、様子見ますと帰ったのを想い出しました。

2012.09.17 Mon 19:55
芝崎みゆき

留?さまへ

松本留吉さま、お久しぶりでございます。
月1でチェック入れてくださっていたとは! 忘れ去られてなくて光栄です。

しかも膨大な長文も読んでいただいたようで、ありがたいったらありゃしません。
大事なラジオがもったいないことになってまで……。
(と、そんな面白そうな番組がNHKラジオであるのですねぇーー。ラジオ界のことは全く存ぜず……)

やっぱり読んでいただき、こちらの意図するところなどをわかっていただけると、本当に救われるものです。
留吉さん、毎度毎度、ほんとうにありがとうーーございますっ!

そして留吉さんのシビレ、心配ですね。
そうなのですよね。みんな誰しもが、必ずどこかしら不快や痛みを伴って生活してるのですよね。
それなのに、私ときたら大騒ぎ野郎でお恥ずかしい。
シビレは、イズいし不快だし心配だし、つねにその場所が主役になってイライラしますよね。
スジを痛めたとか尺骨神経を少し痛めたとかなのかなー。って私にわかるわけないですが。
留吉さんの不快感が早くなくなりますように。

2012.09.18 Tue 07:28
まや

みゆき先生、こんにちは。
こんなに大変なことになっていたとは…。てっきり、新しい本の執筆で毎日めっちゃ忙しいんだろうな〜と思っていました。
私も一応頭痛持ちで、去年の秋からペインクリニックでブロック注射受けたりしていたんですが、なんかもう痛みのレベルのケタが違いますね。でも、自分ならヤケ起こしてますます引き籠もりになって寝ながら荒れてるような状況だと思うのに、病院の言うことを鵜呑みにせず、色々ネットや本で調べたり、それをこうやって記録しているみゆき先生って、本当にすごい。

この夏の猛暑の中、急激にソクラテスに惹かれて、プラトンの『饗宴』を読んでみたのですが、アルキビアデスが登場してるんですね。はっ、もしやこいつ…と思って、みゆき先生の本、読み直しちゃいました。ほんと、とんでもない男ですが、『饗宴』に出てくるアルキビアデス、可愛いんですよね。古典読んでたはずなのに、いきなり乱入してきた彼だけが現代人、テレビドラマに出てくる兄ちゃんみたいな違和感のなさというのも不思議でした。古代人特有の回りくどさがないし、人間臭いというか、ちゃんと謙虚だし、負けてる自分も晒しちゃってるし…って、あ、騙されてますかね、私。

先週、阪神タイガースの金本アニキが引退を発表して、それはすごく寂しいんですけど、同じ40代半ばの人間として、人生これからだ!と信じられるところもありますので、色々辛いこともありますが、皆さんそれぞれ耐えて頑張っているのだから、自分も自分なりに頑張ろう、とか思っています。
…そして、みゆき先生のファンとして、何もできませんが、右手が一日も早く元通りになることを祈っています。本当になぜこの人にこんな苦悩を与えるのだろう、と思うこともありますし、その答えも完全には分からない。ただ、悪いと思われることの中にも必ずいいことはある!ということだけは、信じています。

2012.09.18 Tue 15:27
芝崎みゆき

まやさまへ

ぬぉっ! まやさま~~っ、チェックいただきありがとうございますっ。
お久しぶりです。いや、もううれしいです。
えっ、まやさんもペインクリニック行ってるの? しかもブロックを? なかまっ♪(って大変でしょうにすみません……) 
イヤですよね。頭痛、絶対バカにできませんよ。顔、頭って一番痛くなりたくないところですよね。
頭痛は、吐き気やら、体も精神も全体おかしくなるし。

ブロック注射でちょっとは良くなりましたか?
いや、十分に、いや、存分にヤケを起こして、引きこもって、荒れ狂ってます。
っていうか猜疑心が強すぎるのがダメなのですよね。
人の言葉を素直に受け入れないから、こう迷走するし、どんどん悪くなるような。

それはともかく、かっこいい、まやさん。『饗宴』なんて!
そしてなぜ、ソクラテスに急激に惹かれたのでしょう。
ってすみません、ザザッと高速読みしたり、部分部分しか読んだことがなく、きちんと味わってません(テキトーな仕事ぶりがバレるっ、ヤバい)。
でも、ついこのまえ、エキさんという者が興奮して「面白いっ!面白いっ!」と言っていたし、それは私に何の影響も及ぼしませんが、まやさんのご感想で、すごく読みたくなりました。今読んでる『罪と罰』(今頃……。)終わったら、そく読みます。

まやさんがだまされるように、私も実際にあいつを見たらメロメロになりそうです。
アルキビアデスって、どうもロンブー淳に重なるのですよ。っていや、もちろん、美貌とかバックグラウンドとかスケールとか全然違いますよ。あそこまでの愛嬌はないと思うし。
でも「うまいことやってる感」がそっくり、というか。おいしい立ち位置というか。どんな悪いことしても、いつも許されてるというか、あとやりたいことは全部やれるとことか、とにかく得な男なところが。
って、まやさんのアルキビアデス像を壊したらすみません。
でもうれしーー! アルキビアデスについての話題が上がったのって、人生初。歴史上、けっこういいアクセントになった面白い人物だと思うんですが、あまりになじみのなさすぎる名前なのか、私の書き方が悪いのか、名前が挙がったことはありませんでしたよ(いや、それをいうなら、ほとんどのキャラがそうでした……)。

金本アニキとかの時事ネタが(それも男寄りの)出てきて、「わっ、まやさんだ」って笑いました。
ご心配本当にすみません。最後の部分のまやさんの逡巡の気配がほんとうにありがたく、感じ入りました。

2012.09.19 Wed 09:05
まや

みゆき先生〜、いつもの暖かいリアクション、申し訳ないくらいです。特に今、こんな大変な時なのに…(涙)。

でも、あのエキさまも『饗宴』読んで「面白い!面白い!」とおっしゃってたんですか? なんかすごい嬉しい。自分の場合「古代ギリシャの賢人たちが、飲み会の席でエロスについて延々と語り合うというお話」と聞いて、これは読んどかんと!と思ったのですが、期待値が高すぎたのか、途中までは正直う〜ん…という感じ。ソクラテスの産婆術も、単なる誘導尋問みたいだし、なんか釈然としませんでした。それが、アルキビがバタバタと登場してきた途端、座の雰囲気も一気に和んだというか、なんだよみんな、シケた面して、エロスだろ〜、もっと腹割って話そうぜ、とは言ってませんが、彼のエロス論も聞きたかったですね。ロンブー淳、そうですね。顔は福山雅治も入っていると思います。軽さもあったでしょうが、同時に誠実さを匂わせるものもあったと想像してしまうのです(断:福山は別にファンじゃないですよ!)。別のソクラテスに関する本の中で、アルキビアデスって人は、相手の価値観に自分を合わせることが、何のためらいもなくできた、たとえばスパルタでは自分もがんがん身体鍛えて体育会系男子になり、ペルシャでは贅沢三昧オリエント趣味で身を飾っていた、というようなことが書いてあって、なるほどなーと。「あなた様のお気持ち、お考え、非常によくわかります」なのか「いや〜、おまえってほんとスゴイよ〜」なのかは分かりませんが、そんな感じで相手の懐に入り込んで、あとは自分の思い通りにしてしまう。自分の思い通りというよりは、彼によって、相手の心の奥に潜んでいた願望が引き出され、行動を起こさせてしまう…なんかその手の魔性の男だったんじゃないか、と思ったりしました。で、ソクラテスは、そこら辺もしっかり見抜いていたと。

『罪と罰』、かなり昔に一種義務感から読んで、でも殺人ってこんな理屈こねてやるもんかな〜、お婆さんに対する同情とかは結局最後までないんだな〜、なんか好きになれないや、この男、という、どうにも日本人的というか凡人な価値観から最後まで抜けられず、自分はドストエフスキーはだめだ、と思った記憶があります。でも、今読んだらまた違うのかなあ。みゆき先生、読み終えたら、いつか感想教えて下さいね!

でも本当にまずはお身体お大事に、いたわってあげてください。私はブロック注射はかなり効きました。ほんと単純なんで。 

2012.09.20 Thu 13:06
芝崎みゆき

まやさまへ

またまたうれしー、心沸き立つコメント!

そうですね! 福山雅治のような、誠実のほのかな匂いも入った顔。
って、あくまでも見た目。実際、福山、誠実とは程遠そう。
福山のように、どんな人にも嫌われない、かわいらしく、まったくイヤミのない顔じゃないと、成立しないですよね。

何しろ、今、罪罰、上巻終わって、下巻も3分の1終わったので、早くそっち読むのが楽しみです。
うん、ラスコーリニコフ、いらいらする。
ほんとう、まやさんの言うように(さすが! 当然ちゃんと読んでらっしゃる!)めんどくさい理屈こね野郎。
お人よしの友だちの素直さ、明るさには救われます。

あと、とくにヤったあと、熱病病みみたいにいつまでも具合悪いのが腹が立ちます
(って時間的には1~2日くらいのことですが、上巻はずっと具合が悪いから、こっちも苦しい)
いつまでもウジウジダラダラとしやがって。だったら最初からやるな。
でもやっと元気になってくれて、神経病みがちょっと治まって、元気にいろいろ出かけてくれて、ほっとしてます。
こっちまで暗くなるから絡みたくないような人物ですが、奴の傲慢さとかうぬぼれや世間への評価などに、自分と同じものを見て、なんだかんだすっかり奴に入ってしまいます。
(って、全世界の人全員、そうですよね。だからこその名作なわけで)
ってドストエフスキーって「カラマーゾフ」しか読んだことないのですが(それも最近……)、でも出てくる人々全員多弁で、どんな卑怯なやつもきちんとした哲学というか「理」を持ってるところが、すごいワクワクします。

すごい、ブロック効いてる! 慢性的な痛みにはやっぱりいいのですね。
まやさんこそも、本当体に気をつかって、変なウィルスは蹴散らしてくださいね。本当にお願いします。

2012.09.22 Sat 02:12
レオン

ぼくの方は大丈夫です。

 北海道に仕事で来たとはいえ、利尻島では足を引きずりながらトレッキングまでやってしまいました。かなりヤバかったですが、何とかクリア。翌日になっても足首は腫れませんでした・・・って、ギャンブルしすぎですよね。

 芝崎先生も1日も早く良くなりますように祈っております。

2012.09.24 Mon 19:33
芝崎みゆき

レオンさまへ

レオンさん、よかった。御無事で。冒険魂すごいですねー。岩だらけの道でしょうし(予想)、足首に相当悪そうなのに。でもほんとうよかった。
これからも無理をせずに、でも恐れずにゆっくりなんでもトライしてくださいね。

2012.09.25 Tue 16:54
レオン

先生が元気になってくれたらぼくのことはどうでもいいです。

早く良くなりますように・・・札幌から念を送ります。

2012.09.25 Tue 20:00