『芸術新潮 2015年10月号』 ギリシャ神話 エロティック・ガイド
2015年9月25日発売の芸術新潮にイラストやらを描かせてもらいましたーー。
こういう人↓や、絵地図、系図、あらすじ漫画を描きました。
これはボツ絵のパン神ちゃん。
雑誌のほうでのカラーはデザイナーの方に(野澤享子さん)塗っていただいてます。
自分のへっぴり絵はともかく、特集はタイトルが示すように、なんといいところに目を付けてくれたのか、さすがは芸術新潮ーー、な垂涎もので、もう、とにかくキューーーーって身悶えする、楽しすぎる内容。
オーソドックスなギリシャ神話の絵画もありますが、私には初見のセンセーショナルなものがたっくさんありました。
なまめかしい女体は、まぁフツ―として、
チンだらけ。チン自慢。
AV並みの露出、まぐわい。
凄惨な暴力現場。
などなどが……。
そして、そんな絵につけられた解説やあおり文章が名コピーで、ニヤニヤ笑けてきたりもするのです。
しかもサブ特集が「春画」!!
たまんねーーー。
もうそれらの鮮やかなグラビアだけで、超お宝、永久保存版、超絶推薦なんですが、読み物もこれまたワンダフル!
自分がイラストを添えさせてもらった東ゆみこさんの「ギリシャ神話Q&A」。ここ読んどけばギリシャ神話の概略がほとんどつかめます。プラス、なんでこの神はこうなのか、という歴史的&政治的な裏事情もわかるし、知的興奮も得られる超・超・名解説です!
東ゆみこさんの本
クソマルの神話学 東 ゆみこ 青土社 2003-09 by G-Tools |
大迫力なタイトル。
しかも、その東ゆみこさんと、私がもう昔っから大ファンで、著書をずっと追っかけてる大塚ひかりさんの対談まであります。ありがたすぎるコラボ。
ギリシャ神話と日本神話のシモ話を、微に入り細をうがち、あまりに生き生き&ノリノリで語り合われとります。
大塚ひかりさんの本
昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか 大塚ひかり 草思社 2015-03-16 by G-Tools |
て、いいことばっかり書いて、ステマっていうか、提灯記事はなはだしいんだけど、自分が描かせてもらったとかまったく抜きにしても、もう本当に本当にすんごく充実していて、その豪勢な内容にしてあまりにリーズナブルな価格のマガジンだもの、こりゃー是が非でも、一家に一冊おいてもらいたい、と真剣に思いましたのよー。
と、この仕事のおかげで、自分の中で眠っていたギリシャ神話への思いをいろいろ思い出しました。
本当、ギリシャ神話のあの説得力、完成度は奇跡のようなもの。
ほかの国の神話なんか、もう、キチガイが作ったとしか思えないような、人間の行動と心理にまったく即してないナイトメア的なものが少なくないもの(文字で伝達してないからなのか、語る人たちが絶滅させられたからか。まぁ、それゆえ、「生のまま」「むき出し」といったダイナミズムも味わえるんだけど)。
ギリシャ神話の場合、個々の行動において、どんな残虐な奴にも一理あるというか、「ふむー、わからんでもない」となる、普遍の共感みたいなもんがあるんですよね。
でもって、どんな小さなこともとりこぼさず、きっちり整合性合わせるところとか、後日談がエンドレスで続く、蛇足に次ぐ蛇足って感じの説明過多のクドさも、エネルギーも、本当シンパシー感じるというか、あーもういろいろなつかしいーー。
で、ギリシャ神話って、その面白さの割には、日本ではどうも地味というか、ずーっと人々の薄い関心度をキープ、という感じだったんだけど、最近、藤村シシンさんなどのすんごい方の活動で、盛り上がってるようなところもあって、うれしい。
藤村シシンさんは、古代ギリシャを原文から深く深く研究し、その骨格のしっかりした知識からの、マニアックなオモシロ・ネタなどを惜しげもなくツイッターやフジテレビの配信番組などで解説されてる有名なお方。
その突き抜けた古代ギリシャ愛、ひたすらの探究心、莫大なエネルギー、カリスマ性、 ――ゆえの人々からの愛され具合などなどが、あまりにもまぶしい。心から、心からうらやましい。
そのすさまじき愛と知見が濃密に詰まった著書が10月に出るそうです。
古代ギリシャのリアル 藤村 シシン 実業之日本社 2015-10-15 by G-Tools |
ということで、本当、古代ギリシャの面白さや凄さがあまねく人々に知れ渡り、古代ローマ以上に超盛り上がってくれればいいなぁー、そして、私の本も便乗して少しは売れるのだー、と、他力本願のヤラシー気持ちで祈ってるのでした。
買います!
お元気そうでよかった。
西洋の絵画って、素っ裸は多いんですけど、性器の方は割と大人しめに書かれてる印象がありました。
ダビデ像とか見ても、とっても引っ込み思案じゃないですか。
センセーショナルな方が見たいです(≧∇≦)
近況もまた、聞かせてくださいね。